いま、大西洋クロマグロが
野生動物として保護されるかが
注目されています。
こちらをご覧下さい。
これが、大西洋クロマグロです。
おとといからワシントン条約の締約国会議が始まり、
この大西洋クロマグロの国際取引を禁止するかどうかが
話し合われようとしています。
クロマグロは、世界全体で5万7000㌧獲られています。
その内、万3000㌧が日本に来ています。
実に、75%以上が日本で消費されているのです。
この万3000トンの内訳ですが、
太平洋クロマグロが2万1600トン。
大西洋クロマグロが2万100トン。
今回、問題になっている大西洋クロマグロが、
およそ半分を占めているんです。
その大西洋クロマグロは、
197年には、およそ30万㌧生息していましたが、
2006年には、3分の1のおよそ10万㌧まで減ったと推測されています。
そこで今回、カタールの首都ドーハで開かれている
ワシントン条約の締約国会議で保護するべきか議論されるのです。
ワシントン条約とは、絶滅の恐れのある野生の動植物を
保護するための国際条約で、175か国が加盟しています。
この条約では、絶滅の恐れが高い順に、
付属書Ⅰ~Ⅲまでの3つのレベルに分けて保護しています。
最も絶滅の恐れが高い付属書Ⅰには、
ジュゴンやシーラカンス、ジャイアントパンダなど
953種の動植物が指定されています。
保護の方法としては、
付属書ⅡとⅢは、輸出や輸入する国の『許可』を必要とするなど、
商業目的の国際取引を規制しています。
一方、付属書Ⅰでは、その国際取引そのものを禁止しています。
これが、決定的な違いです。
今回は、この付属書Ⅰに
大西洋クロマグロを入れるべきだとの提案が出されています。
しかし、大西洋クロマグロは、
ワシントン条約以外で、すでに保護されているんです。
それが、こちらです。
日本やアメリカ、ヨーロッパ諸国など
7か国と1つの機関が加盟する
大西洋まぐろ類保存国際委員会ICCAT(アイキャット)が、
各国の漁獲量を規制することで大西洋クロマグロを守っているのです。
実際に、2007年の漁獲量は、
密漁や乱獲などもあって最大6万1000㌧と推測されているのですが、
今年は漁獲量を1万3500㌧まで規制しているのです。
日本は、
『漁獲規制を強化し、それを守っていけば、
再びクロマグロを増やすことができる』との立場。
つまり、ICCATで十分保護できると主張しています。
一方、アメリカやEUなどは、
『漁獲規制では密漁や乱獲を防げないため、絶滅してしまう。
国際取引を禁止するしか選択肢はない』との立場。
つまり、ワシントン条約で保護しようとしているのです。
クロマグロなどについて話し合う委員会は17日から始まります。
以上、イチメン!でした。