日本テレビ「NEWS ZERO」

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2月11日イチメン どうなる?ヤフー争奪戦

世界中のIT業界で大再編のきっかけになるかもしれません。

今月1日、アメリカで
ソフトウエア世界最大の「マイクロソフト」が
インターネット検索の大手「ヤフー」に、
4兆7800億円で買収を提案したのですが、
なんと、おとといになってヤフーはこれを
「安すぎる!」という理由で拒否する見通しだと
報じられました。

きょうは、
IT業界が大きく変わるかもしれない
ヤフーを巡る動きです。

マイクロソフトはみなさんも
「Windows」でおなじみ、
ソフトウエアでは圧倒的世界第1位の企業です。
しかし、このマイクロソフトが
これまで苦手にしてきたのが
「ネット検索」の市場です。

インターネットをやろうと思えば
このような「検索窓」を使うと思いますが、

ユーザーが検索するたびに検索結果と一緒に
「スポンサー」のリンクが現れます。
このスポンサーからの「広告費」で
ネット検索ビジネスは成り立っています。

ネット検索のシェアで全米1位を誇るのは「グーグル」。
シェアは50%を越えています。
2位がネット検索の"草分け"企業である「ヤフー」。
そして、マイクロソフトは3位に甘んじています。

なんとかこの市場でも覇権を握りたいマイクロソフト。
その一方で2位のヤフーも草分けでありながら、
最近は「1人勝ち」のグーグルに押されっぱなしでした。

マイクロソフトはヤフーを買収することで
「技術」を手に入れ
ネット検索での「規模を拡大」。
そして、両者でかぶっている事業を
「合理化」することで
1千億円以上の利益を生み出すと試算。

実は、1年半以上も前から
買収を持ちかけていました。

ではなぜ、ヤフーは
破格の提示を拒否するんでしょうか?
その秘密は株価にありました。

どういうことかというと、ヤフーは
アメリカのサブプライムローン問題から
発生した「世界同時株安」と、
ヤフー自身の「業績悪化」を伴う決算が重なって、
去年11月に31ドルだった
「株価」が4割近く急降下してしていました。

マイクロソフトはこのタイミングを見逃さず、
「公開しているすべての株を1株あたり31ドルで買いますよ」
という買収案を発表します。
これにかかるお金がつまり、
4兆7800億円というわけです。

一見とてもいい話のようですが、
ヤフーの立場にしてみれば
これは株価が急落したところにつけこまれた形で、
ちゃんと正当に評価をされれば
「ヤフーの価値はもっと高い」と思っているわけです。
だから、「買収拒否」ということになるのです。

一方で、こういった動きに対し
市場1位のグーグルも危機感を持っています。

マイクロソフトが買収案を発表したその日に
グーグルはヤフー側に電話をかけ
「買収を阻止するためならどんな支援でもする」
と申し入れたと報じられています。

でも、もし市場1位のグーグルと
2位のヤフーが組んでしまうと、
市場が「独占」状態になり
これは、アメリカの「独占禁止法」に
触れる可能性があるので
グーグルとヤフーが提携する、
という道もそう簡単にはいかなそうです。

いずれにしてもネット検索は
IT業界の中でもまだまだのびる余地のある市場。

マイクロソフトは今まで
「一度も借金をしたことのない」企業として
有名だったんですが
この約5兆円を調達するために
初めての借り入れも辞さない構えです。
以上、イチメン!でした。