日本テレビ「NEWS ZERO」

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10月29日イチメン "200万人"のC型肝炎

 

製薬会社や国がC型肝炎の
患者情報が入ったリストを放置していたことが
大きな問題になっています。
この「薬害」でC型肝炎になった人の数は
少なくとも1万人とされますが、
実は、日本のC型肝炎「全体」では
推計で200万人とも言われています。

これは、単純計算すれば
国民の60人に1人という数字で、
この病気は決して人ごとではないのです。

では、なぜそれほど多くの感染者がいるのでしょうか?

専門家は200万人のうち
およそ半数が「過去の輸血」による感染と見ています。
日本で輸血のC型ウイルス検査が
確かなものになったのは1992年。
それより前の時代の輸血で感染した人が多くいます。

他には、いま問題になっている
「血液製剤」による薬害が少なくとも1万人。
また、昔の日本では予防接種などで
「注射針を使い回して」いたこと。
消毒が十分でなかった時代の「医療行為」
などが原因として考えられています。

しかし、現在はウイルスの検出が確実にできるようになったので
輸血も血液製剤も、安全です。

そもそもC型肝炎は「血液」を介して伝染する病気です。
だから元々「日常の生活で感染することはほとんどない」のです。
握手をしたり、一緒にお風呂に入ったりといったことで
感染することは絶対にありません。

また、お母さんから子供へ感染する
「母子感染」も10%以下と少なく、
「性行為による感染」もまれです。

だから、いま現在私たちが新たにC型肝炎ウイルスに
感染する確率は「0点01%以下」。
年間で10万人に5人という数字にとどまっています。


では、C型肝炎という病気には
どんな特徴があるんでしょうか?

肝臓の細胞が炎症を起こすことで
身体の様々な異変につながる「肝炎」は、
日本人の場合、ウイルスの感染が原因で起こる
「ウイルス性肝炎」が8割を占めています。

また、ウイルス性肝炎はその種類によって
A型、B型、C型、D型、E型...などに分類されます。

この中でB型とC型の肝炎はウイルスが体の中に残り
「慢性肝炎」になる可能性があります。

特にC型は一度ウイルスに感染すると、
そのうち約7割の人が
慢性肝炎になるとされています。

そして、このC型肝炎。実は、200万人のうち
多くの人が感染に気づかないまま
過ごしている可能性
があります。

なぜなら、C型肝炎には
「自覚症状がなかなか出ない」という特徴があるからです。

また、症状が出る方でもその多くは「全身の疲れ」
「食欲が沸かない」「気分がすぐれない」など
他の人からはわかりづらい症状のため、
家族や周囲から「なまけている」などと
と見られ無理解に苦しんでいる患者さんもいます。

肝臓は人間の臓器の中でも「防御」や「再生」の力が強く
なかなか痛いとか苦しいとか言わないため
「沈黙の臓器」と呼ばれています。

「何かおかしい」と気づいて病院に行くころには
肝炎がだいぶ進行しているということもしばしばです。

慢性C型肝炎の症状にはかなり個人差がありますが、
だいたい「10年から30年」かけて
ゆっくりとウイルスの数が増えていきます。
ウイルスの数が進むにつれて徐々に炎症も広がり、
中には、肝臓の細胞が硬くなって働かない「肝硬変」。
そして「肝臓がん」に進む人もいます。

でも、もしそうなる前の早い段階で気づけば
ウイルスの数が少ないのでダメージも小さく、
治療の効果を上げやすいのです。
だからこそ、患者さんの情報があるのなら
感染の可能性をなるべく早く伝える
のが大切です。

最新の薬を使った治療では50から60%の患者さんが
ウイルスをゼロにすることができるそうです。

各自治体の保健所ではC型肝炎ウイルスの検査ができ
無料の自治体も多くあります。
不安に思った方はぜひ一度検査を受けてみてください。
イチメン!でした。