今回イチメン!の放送日(8月27日)に
安倍改造内閣がスタートしました。
今回の内閣改造、
ちょっとイチメン!風に考えてみますと
そもそも「内閣改造」は法律でやりなさい、
と決まっているわけではありません。
じゃあ、なぜ内閣を改造をする必要があるんでしょうか?
実は、大臣を任命したり
辞めさせたりする権限=「任免権」は
総理大臣(首相)だけに与えられた強い権限です。
総理は「いつでも、どんな理由でも」
大臣を辞めさせたり、
新たに任命したりすることができるんです。
その大きな武器「任免権」を
見せつける機会が「内閣改造」。
総理にとっては、大臣の人事を一気に見直すことで
「求心力を高める」チャンスと言えます。
ところが、昔は「総理の意思」だけでは
大臣を決められない事情がありました。
それがよく言われる「派閥の論理」です。
戦後長い間、国会では
「自民党」が与党だったので
「自民党総裁」が総理大臣を務める
という図式がほとんどでした。
総理になりたければ
国会よりも自民党の中で支持を固めることが必要で、
そうなると、どうしても党のグループ=「派閥」の
力を借りる必要が出てきます。
派閥の力を借りて総理大臣になれば
当然、その「見返り」が必要なので、
総理大臣は派閥の推薦に従って
大臣のポストを割り振るようになりました。
ある総理大臣などは国の大臣人事を
自民党の幹事長に丸投げし、
任せきっていたなんていう話まであります。
こうして、戦後長い間内閣改造は
「総理の意思」よりも
「派閥の論理」が強く働くような
形で行われてきたのです。
また、自民党ではだいたい衆議院で6回当選すると
「大臣候補リスト」入りと言われてきました。
ところが、イチメン!の第1回でも取り上げたように
大臣の数は法律で決まっています。
(現在は最大18人【総理大臣+国務大臣17人】)
ということは、どんどん「大臣候補者」が
増える一方なのです。
そこで、なるべく多くの人に大臣ポストを回すため、
「内閣改造」は頻繁に、およそ年に1回のペースで
行われるようになりました。
例えば、佐藤栄作内閣では合計9回もの
組閣と内閣改造を行って
なんと!102人の大臣が誕生したんです!
1年でころころ替わったら
大臣も長期的なビジョンは持てませんよね。
ところが!こういった組閣や内閣改造の形を
色んな意味で壊してしまったのが、
ご存じ小泉純一郎前総理です。
小泉前総理が大臣を選ぶ時の方法は...
「一本釣り」と名付けられました。
派閥に全く相談をせず、
直接入閣する人に声を掛けることから
こう呼ばれていたんですね。
国民からの人気で総理になった、とも言える
小泉さんだからこそ、
派閥にとらわれない人事ができたんです。
さて、安倍総理も去年の組閣、今回の内閣改造と、
小泉さんと同じ「一本釣り」スタイルをとっています。
日本テレビ政治部長の粕谷さんによれば
「小泉前総理は執務室に閉じこもって秘密主義で人事を作り上げた。
一方、安倍総理は今回、麻生さんに人事の助言を求めていた。
同じ一本釣りでも1人で作り上げたわけではない。」
という特徴が見られるそうです。
今回は、内閣改造は何のためにやるのかを
考えてみました。イチメン!でした。