横綱・朝青龍に二場所出場停止などの
処分が下ったことから
連日このニュースが大きく取り上げられています。
よく、大相撲で横綱になるには
「品格・力量が抜群」でなくてはならないと聞きます。
この「品格」がいま大きな問題になっているんですが、
なぜ、横綱だけこれほど品格が問われるんでしょうか?
実は、横綱が締める「綱」。
神社の境内や、家の神棚にある「しめ縄」と
全く同じ意味を持っています。
そして、このしめ縄が表しているのは「聖域」。
「縄の内側は神聖な場所ですよ」
ということを示しているんです。
さらに、横綱は土俵入りの時に
「しこ」を踏みますが、あれにもちゃんと意味があります。
普通はこの「しこ」を「四股」と書きますが、
元々の意味からすれば「醜を踏む」。こういう字を書くそうです。
そして、この「醜」はつまり「邪気」。
「しこを踏む」のには「土の中の邪気を踏み抑える」
という意味があったのです。
じゃあ、横綱というのはどういう存在なんでしょうか?
大相撲の歴史に詳しい、桐朋学園芸術短期大学の
和歌森民男先生にお話を伺ったところ...
「日本の地域社会のまつりごと・祭礼行事に
相撲が登場する場面はよくあったこと。
『神様の力を引き寄せる』『神様に代わって鎮める』
そういうところに、横綱の役割、相撲・力士の役割はある」
ということを教えていただきました。
そもそも江戸時代には、建物を建てる前の儀式、
「地鎮祭」に横綱が呼ばれたこともありました。
横綱がしこを踏むと
土の中の悪いモノが踏みつぶされて
その地域に繁栄が訪れる、と言われていたんです。
この地鎮祭での「しこ踏み」をセレモニーとして見せたのが、
現在の「横綱土俵入り」の始まりなんです!
また、土俵入りが許された力士には
「免許状」が渡されていました。
横綱になるには免許が必要だったのです。
江戸時代、相撲の番付に「横綱」は無く「大関」が最高位。
その大関の中で、その役割を果たすにふさわしいとされた者だけが
特別に「綱を付けて土俵入り」することを許可され
「横綱」と呼ばれました。
それほど「横綱」というのは特別な力士なんです。
力士の代表として「神事」にも深くかかわっていることから、
ただ強いだけではダメ。
抜群の品格が求められてきました。
今後、朝青龍がどんな行動を取るのか、
「品格」にも注目して見ていきたいと思います。
以上、イチメン!でした。